「マグネシウム」が足りていれば代謝も上がる!9つの健康効果を解説
体の様々な機能を維持していくために必要な5大栄養素と言えば、タンパク質、糖質、脂質、ビタミン、ミネラル。タンパク質や糖質、ビタミンについては、摂取量を気にしている人も多いけれど、意外と盲点になりがちなのがミネラル。中でも体の代謝を助けるなど多くの健康効果があるマグネシウムが、どんな食材に含まれているのかは、知らない人も多いのでは? 【写真】マグネシウムを豊富に含む食材リスト35選 さらに、一般的な栄養成分表示だと、100gあたりのマグネシウム含有量が表示されていることが多く、1食でどれだけの量を摂れるのかはわかりにくいという問題も。そこで今回は、マグネシウムの効果や、一日の推奨摂取量の他、マグネシウムの含有量が多く、誰でも入手しやすい食材をリストアップ! マグネシウムをしっかり摂りたい時に参考にしてみて。
マグネシウムとは?
マグネシウムは、リンやカルシウムとともに骨を形成するほか、体内のさまざまな代謝を助ける機能を持つ。成人では、体内に約20g~30gが存在し、その約6割はリン酸マグネシウムや炭酸水素マグネシウムとして骨や歯に含まれ、残りは筋肉や脳・神経に存在している。 マグネシウムには300種類以上の酵素を活性化する働きがあり、骨の弾性維持、細胞のカリウム濃度調節、細胞核の形態維持に関与するとともに、細胞がエネルギーを蓄積、消費(=代謝)するときに必須の成分でもある。多くの生活習慣病やアルコール中毒の際に細胞内マグネシウムの低下が見られることがわかっており、筋肉の収縮や神経情報の伝達、体温・血圧の調整にも役立っている。 ここからはマグネシウムの働きについて詳しくみていこう。
マグネシウムの9つの健康効果
①心臓の健康を守る スキンケアクリニック「Dr David Jack Clinic」の栄養療法士、アンディ・デイリー医学博士によると、マグネシウムには心拍リズムを調整したり、血圧を健康に維持する働きがある。ご存知の通り、高血圧は心臓発作や脳卒中など、心臓病や循環器疾患、腎障害など、あらゆる疾患に関連している。 心疾患(LDL(悪玉)コレステロール、HDL(善玉)コレステロール、血圧値など)に対してマグネシウムの働きを調査した科学的レビューでは、マグネシウムが不足している人に有効であることが示された。 ②生理痛を和らげる マグネシウムが生理痛の症状を和らげる特効薬となるわけではないけれど、複数の予備研究では、マグネシウムをビタミンB12と組み合わせて摂取することでPMSの症状を軽減できる可能性が示唆されている。 ③ワークアウトの質が向上する 筋肉機能にも重要な役割を担うマグネシウムは、筋痙攣の予防やトレーニングの強化にも関連付けられている。アメリカ版ウィメンズヘルスによると、2,500人以上の女性を対象に行われた研究では、マグネシウムの摂取量が多い人は少ない人よりも筋肉量と“パワー”に優れていることが明らかになった。 ④骨の健康を支える 骨の健康が大事なのはもはや言うまでもないこと。そしてマグネシウムは、骨密度において重要な働きを持つミネラルの一つ。「マグネシウムは骨の形成に不可欠で、骨密度の維持に役立ちます」とデイリー博士。 骨密度が高ければ、骨粗しょう症や骨折のリスクを減らすことができる。 ⑤炎症を抑える マグネシウムには抗炎症作用もあり、体内の炎症を抑えるのに役立つ。慢性的な炎症状態は、将来的に健康上の問題を引き起こす恐れがあることを忘れないでおこう。 ⑥不安やうつを軽減する デイリー博士によると、マグネシウムは気分を調節する神経伝達物質の生成に関わっているため、メンタルヘルスをサポートする栄養素。最近の研究では、マグネシウムを補うことで不安やうつ病の症状を改善することが示されている。 ⑦血糖値を調節する 「マグネシウムは、体がインスリンをより効率的に使えるようにサポートする働きがあるため、血糖値の調節を助けてくれます」とデイリー博士。 ⑧睡眠の質を改善する マグネシウムは睡眠に絶大な効果をもたらしてくれる。副交感神経系を活性化させて心を落ち着かせ、筋肉の弛緩や神経機能にも作用するため、睡眠の質が向上し、不眠症の症状を軽減するのにも有効であるとのこと。 ⑨胃酸の逆流や胸焼けを緩和する デイリー博士によると、水酸化イオンや炭酸イオンとマグネシウムを組み合わせると、胃の酸を中和するのに役立ち、胃酸逆流や胸焼けの症状が緩和される。