「いったい誰が漏洩した?」斎藤知事「パワハラ問題」謎に包まれたままのこと、告発、失職、復活までの経緯
■斎藤氏が「追い出される」まで これに驚愕したのが、斎藤知事寄りの姿勢を示していた兵庫維新の会である。兵庫県議会の自民党、公明党、「ひょうご県民連合」と共産党および無所属議員4人は、9月12日に斎藤知事に辞職を求めたが、兵庫維新の会はこれに参加せず、彼らに3日先駆けて、斎藤知事に辞職を求めている。 そしていよいよ9月19日、兵庫県議会で斎藤知事の不信任案が全会一致で可決された。百条委員会は続いており、第三者委員会からの報告は来年3月末に出ることになっていた。
にもかかわらず不信任案の決議を急いだのは、混乱する県庁を鎮めるという名目に加え、斎藤氏を追い出すチャンスと見なし、さらに斎藤批判の世論に安易に迎合したためだろう。 が、振り返れば反斎藤陣営の勢いはここがピークだったか。ここから陣営の足並みは揃わなくなっていくだけでなく、「風」も読めなくなっていく。 一方で斎藤知事は、“次”に向かって着々と準備していたようだ。不信任決議を受けた首長は、10日以内に議会の解散か辞職を選択でき、どちらも選ばなければ失職する。
不信任後の斎藤知事は、いったん登庁して記者のぶら下がりに応じた後、知事室に入ることもなく、県庁から姿を消した。「これからのことを弁護士などと相談しているのではないか」と、ある関係者は語っている。 (後編:斎藤氏への世論「批判から熱狂」に変わった“本質”)
安積 明子 :ジャーナリスト