【がんを生きる緩和ケア医・大橋洋平「足し算命」】高校野球に思う
2024年8月23日=1,965 *がんの転移を知った2019年4月8日から起算 おめでとう、京都国際高校のみなさん。2024夏甲子園で優勝を勝ち取った選手たちはもちろんのこと、関係者すべての人にお祝い申し上げたい。 何かと話題の多い大会だった。勝ち進むと予想されながら敗退していった強豪校。あるいは春のセンバツほどは活躍できなかったチーム。また準決勝まで進んだ4校はいずれも春夏連続出場で、どこが優勝しても初優勝、などなど。 ▽私立校か公立校か さらにいつも取り沙汰されるのが、出場校が私立高か公立校かの問題だ。全国各地から選手を集められる私立高が有利だという理由だろう。さらに県外出身者と県内出身者が登録選手の中で、どちらが多くの割合を占めるかも話題になる。つまり、県代表なのに他県出身者を集めて強くするのはずるい、ということなんだろう。 ちなみに今夏のわが地元・三重県代表は公立校である菰野(こもの)高校だった。ここで今年も含めて過去10年の三重県代表校を調べてみた。すると私立:公立は、4:5と互角だ(20年大会は新型コロナウイルス感染症拡大のため通常の形では中止)。 ▽すべてOK わたしは2012年から地元・木曽岬町で「教育委員」を続けている。教育に関する地元愛は人一倍強いと自負している。その上でこの問題に関しては、どれもすべてOKだ。自分の地元の代表校が私立高か公立校か、そしてその選手がどこの出身だろうが全く問題ないと思う。野球に打ち込む姿に出身都道府県など関係ない。 疑問を抱くのは、他県から選手を集めるような私立高が地元にない人たちじゃないかと想像する。もし近所にそんな高校があったら、どうか。彼らの活躍は地域に力を与えてくれる。練習風景も見物することができよう。地域の奉仕活動に彼らが参加することもあろう。通りすがりにあいさつを交わすことだってある。彼らは地元にとっては身近な存在だ。だから応援したくなる。そしてワンプレーに一喜一憂する。 ▽なんで奇数? もうひとつ思ったことがある。それは代表校のチーム数「49校」だ。47都道府県のうち、北海道は北と南、東京都は東と西と分かれているので二つ多い。しかし、なんで奇数? そのため最後に出場する学校は、抽せん日に対戦相手が決まらず、初日第1試合の勝者が相手となる。数日すれば決定するとはいえ、自分たちだけが対戦相手が決まらないのは落ち着かないだろう。 ここで提案。出場校を1校増やして偶数にしたらどうか。普通に考えれば地区予選の学校数が最も多いところを代表2校にするところだ。でもあえて私は訴えたい。前年優勝の都道府県からもう1校出場できるようにしてくれと。その恩恵が自分の都道府県に来たら、地元はかなり盛り上がるだろう。 ところでユーチューブらいぶ配信、しぶとく続けてます。チャンネル名「足し算命・大橋洋平の間」。配信日時が不定期なためご視聴しづらいとは察しますが、気ぃ向いたらお付き合いしてやってくださいな。ご登録も大歓迎。応援してもらえると生きる力になります。恐れながら、引き続きごひいきのほどを。わたくし生きている限り何とぞよろしくお願い申し上げまぁす! (発信中、フェイスブックおよびYouTubeチャンネル「足し算命・大橋洋平の間」) おおはし・ようへい 1963年、三重県生まれ。三重大学医学部卒。JA愛知厚生連 海南病院(愛知県弥富市)緩和ケア病棟の非常勤医師。稀少がん・ジストとの闘病を語る投稿が、2018年12月に朝日新聞の読者「声」欄に掲載され、全てのがん患者に「しぶとく生きて!」とエールを送った。これをきっかけに2019年8月『緩和ケア医が、がんになって』(双葉社)、2020年9月「がんを生きる緩和ケア医が答える 命の質問58」(双葉社)、2021年10月「緩和ケア医 がんと生きる40の言葉」(双葉社)、2022年11月「緩和ケア医 がんを生きる31の奇跡」(双葉社)を出版。その率直な語り口が共感を呼んでいる。 このコーナーではがん闘病中の大橋先生が、日々の生活の中で思ったことを、気ままにつづっていきます。随時更新。