高収入の人は特に要注意…「成功体験」を子どもに語る親が、じつは子育てで「大失敗」している納得のワケ
変化が目まぐるしく、未来の予測が困難で、正解の見えない時代に子育てする親世代は、いい学校に入っていい会社に入ってというこれまでの「正解」があてはまらず、将来を見据えた子どもの教育に頭を悩ませることも多いだろう。 【マンガ】カナダ人が「日本のトンカツ」を食べて唖然…震えるほど感動した一言 『AIに潰されない「頭のいい子」の育て方』の筆者、富永雄輔氏はこれに「私が経営している塾の子どもたちを見ていると、幼いなりに彼らは「変わりゆく世界」にしっかりついて行っています。特別な説明を受けるまでもなく、彼らにとって世の中はどんどん変化するのが当たり前であって、確実なものなどありません」と話す。 不確実な現代で子育てをするなか、これからの時代を生き抜く我が子にとって、今必要な学びとはなにか。そのヒントとなる考え方を前編記事「昭和・平成とはここが大違い…!学校教育、無用に思える「計算力」「国語力」が圧倒的に必要な「納得のワケ」」に引きつづきお届けする。
新しい価値観で子どもを伸ばす親になるための秘訣
これからの子どもたちは、みなさんの時代とはまったく異なる世界を生きていかねばなりません。彼らが戦う相手であり、ライバルと呼ばれるのは、人間ではなくAIです。 そんな子どもたちに、幸せな人生をまっとうして貰うために、親はどうすればいいのでしょうか。 ここでは、子どもを持つ親が、我が子のために有するべき思考、とるべき行動について再確認していきましょう。 ■成功体験を徹底して”忘れる” 新しい時代に強く生き残れる子どもを育てるために、親が最初にやらなければならないのが、自らの成功体験を捨てること。それも、徹底して捨てることです。 今の社会でそこそこ成功している親は、子どもにも1,000万、2,000万と高収入を取れるプレイヤーになってくれることを望みがちです。でも、「だから、いい大学に入って、いい職業に就いて」という基準で子どもを導いていたら、おそらく高収入プレイヤーというのは叶わないでしょう。 男女問わず、一生懸命頑張っていい大学に入り、ビジネスパーソンとしても成功してき人たちにとって、自分の生き方を否定することには抵抗があるでしょう。 あるいは、本人は外で仕事をせずに夫を支えてきた主婦のケースであっても、自分たちの時代の成功パターンを捨て去るのは難しいものです。夫が成功者であるなら、我が子にも、夫と同じような道を歩ませたくなるはずです。 しかし、それと正反対のことをやっていかねばなりません。 子どもにとって、親は最も身近に存在するロールモデルです。自分の親が現在かっこよく活躍していて、金銭的にも恵まれた暮らしをしていれば、「パパみたいに成功したい」「ママの真似をしたい」と子どもは憧れて当然でしょう。 だからこそ、相当に注意が必要なのです。 大変なことではありますが、「親と同じやり方ではダメだよ」と言わねばなりません。 もちろん、成功した親がこれまで歩んできた道は間違っていなかったわけですから、大いに自己肯定感は持っていいのです。 しかし、我が子にもそうした自己肯定感を持って貰いたいのであれば、同じ道を歩ませてはいけないということです。 …つづく、「日本経済が「韓国に負けた」本当の理由…「平和ボケした日本」親世代だけが知らない「教育格差」がたどる末路」では、めまぐるしい時代の変化に子どもの将来を育む「最適な教育法」を明かします。
富永 雄輔(進学塾VAMOS代表)