「トンネルの走行」なぜ怖い!? ドライバーの“視覚”が起こす「謎の現象」とは
トンネル走行中に陥るさまざまな「現象」とは
なぜか「トンネルの運転は怖い」と感じているドライバーは少なくないようです。 実はトンネル内を運転中のドライバーは、さまざまな「目の錯覚」と戦いながら運転をしているといいます。 【画像】「えっ…!」これが高速道路で「絶対やってはいけない」行為です!(30枚以上)
トンネルの中を走行するドライバーを襲う錯覚のひとつが、「道幅が狭く感じる」というもの。 JAF(日本自動車連盟)はこの現象について「トンネル内では心理的な圧迫が強まることで、道幅が狭く感じることがある」と説明します。 そのためドライバーは、無意識のうちにアクセルペダルを緩める傾向があります。 またこのことによってトンネル内のクルマの流れは、その前後と比較し速度が緩やかになる傾向があるそうです。 加えて、道幅が狭く感じるため、右車線のクルマは無意識のうちに右側の壁から離れようとし、左車線のクルマも無意識のうちに左側の壁から離れようとします。 そのため、まるで隣の車線のクルマが幅寄せをしてきたかのような錯覚にも陥ってしまうのです。 こうして隣の車線を走るクルマが気になってしまうと、「視覚吸引作用」も引き起こしてしまう可能性があります。 首都高速道路は視覚吸引作用について、次のように説明します。 「視覚吸引作用とは、魅力的と感じた対象物や、危険と感じた対象物に、無意識のうちに身体が向かって行ってしまう人の習性のことです。 隣車線のクルマなどに注意を向けた結果、無意識に近づいて行ってしまう可能性があります」 また首都高は、トンネル内では「追従静止視界」という錯覚にも陥りやすいとしています。 ドライバーは、走行中に流れる風景によって速度を感じているのですが、トンネル内では風景が変わり映えしないため、ドライバーは速度を感じにくくなります。 そのため、クルマが止まっているかのように錯覚する“追従静止視界”に陥ってしまうのです。 さらに追従静止視界に陥ってしまうと、運転感覚も鈍ってしまいます。 そのためJAFでは、前走車がブレーキを踏んでもすぐに対応できない可能性があるほか、前走車の速度にあわせて走行していると、速度を出しすぎてしまう可能性もあると注意を呼び掛けています。