井上尚弥の前座は注目カード目白押し ー見応えがある中量級
年齢を感じさせない対戦相手
国内レベルでは図抜けた平岡にとって今回のバロッソ戦は、まさしく「世界のテスト」となる。 バロッソはWBAスーパーライト級の暫定チャンピオンでもある。ランキングからすれば同級6位の平岡よりも格上で、プロで31戦25勝23KO4敗2分。41歳と聞けば衰えもあって当然だが、平岡ファンはこのバロッソにそれは期待できそうにない。バリバリの41歳なのだ。 平岡と同じサウスポーの強打者だが、タイプは異なる。「Blade」の異名通りに切れる刃のようなパンチを放つ平岡に対し、バロッソはタイミングのずれた左強打を死角から飛ばしてくる。これで意外にも思えるようなワンパンチKOを演出するのだ。 昨年5月、ローランド・ロメロ(アメリカ)との王座決定戦では3ラウンドにダウンを奪いながら早いストップ負けを宣告されて気の毒だったが、8ヵ月後に再び暫定王座決定戦の打診があり、リングに上がったベテランはオハラ・デービス(イギリス)を初回あっという間に片づけてしまった。 さて平岡はこの難敵に勝って世界スーパーライト級王座への挑戦資格を手に入れられるか。 そしてもう一点注目すべきは、世界の中量級戦が日本のイベントで行われること。井上尚弥の活躍で軽量級のホットスポットになった感のある日本で、今後平岡のあとに続く国内中量級ボクサーたちの励みとなるに違いない。 だからこそ今度の平岡にかかる期待は一層大きくなるのだが――。
VictorySportsNews編集部