山陰の低山で「日本」と「世界」の絶景を制す? 市街地からすぐなのに一大パノラマ「社日山縦走ルポ・前編」
「世界……平?」それは偶然、Google Mapを眺めていて見つけました。旅先で2~3時間ばかり予定がぽっかり空いて、ささっと寄れそうな場所を探していました。 島根県の端っこの小さな町・安来に似つかわしくない(失礼)〝世界〟の文字。しかもMapを拡大してみると「日本台」なる文字も……。世界だけでなく日本も??? いったいなぜ安来に??? ますます謎が深まります。 【写真】社日山縦走の登山ルートを見る(全19枚) 安来は、山陰本線の線路に沿うように、東西に市街地が広がっています。線路を挟んで寄り添うように伸びる稜線上に、そのふたつのスポットはある模様。地形図で見てみると、登山道を示す破線が伸びています。標高は100mにも満たないほどで、端から端まで2時間もあれば踏破できそう。 というわけで、「山陰の片隅で、日本から世界へ」。ひょんなことから向かうことになりました。
緑を全身に浴びながら楽々ハイキング
これから登る山は、正しくは社日山。登山口は、安来市民体育館の裏にある社日公園。安来駅からとほ20分ほどですが、古い町並みを抜けながら歩いて行くと、あっという間でした。 しばらくはアスファルトの道で拍子抜け。急勾配を登り切るとすぐに土の道になり、ホッとします。緑がまぶしい木立に囲まれた中を、のんびり森林浴。市街地からすぐに、こんな場所があるとは。道端にはところどころに石像。巡礼の道でもあるようです。 尾根道はところどころ幅が狭くなっていますが、整備されていて幅も広く、とても歩きやすい道。ゆるやかな登りも苦になりません。登山口から10分ほどで分岐が現われました。明るい日差しが差し込む左へそれてみます。
青空のもとに広がる一大パノラマ!
さっきまでの鬱蒼とした森の中を歩いていたのが嘘のよう。青空が広く、眩しいほど。そしてなんといっても、目の前に広がる一大パノラマ。360°とまではいきませんが、180°以上の絶景が広がっています。西~北~東と、グルリとこんな感じ。 看板などは立っていなかったのですが、どうやらここが「日本台」のようです。安来市街の向こうには中海、そしてかなたに見える山並は島根半島。山並だけなら他にも目に出来る場所はありますが、海の向こうに延々と連なるこの風景は、島根県ならでは。 日本台からは分岐して市街の方へ降りる道も伸びていました。ザラザラした砂状の滑りやすい地質の急坂で、足元要注意な感じ。 日本台にも石像が三体。中海の方を向いて、静かにたたずんでいました。