山陰の低山で「日本」と「世界」の絶景を制す? 市街地からすぐなのに一大パノラマ「社日山縦走ルポ・前編」
〝世界〟の名に恥じないピークからの絶景ビュー
元の尾根道へ戻り、先へ進みます。緑の合間から木漏れ日が差し込む、心地良い道。相変わらず歩きやすい道です。 5分ばかり歩くと、ちょっとした登りに。 これまではのほほんと歩いて来たのですが、ここはところどころ岩場もあり、やや慎重に歩を進めます。小さなピークを過ぎて、もうひと登り。登り切った! と思ったら……もうひとつありました。 岩と岩の間を縫うようにして、ようやくたどりついたピーク。おそらくここが「世界平」で間違いないでしょう。 「〝日本〟台と〝世界〟平ではやっぱり、眺望が段違いなのかな?」と思ったら、やはりその通りでした。 日本台では見えなかった南側(精確には南東側?)の田園風景が素晴らしい。正面奥に見えるひときわ高いピークは、標高473mの京羅木山でしょう。 北の眺めはこんな感じです。緑、町、中海、島根半島。 北東に目をやると、富士山みたいにきれいな小山。安来港の脇にそびえる十神山(とがみやま)です。ちなみに十神山にはキャンプ場もあります。さらににその向こうに見える水平線は日本海です。 標高がより高くなったことと、アングルが変わったことで違った眺めが変わる。登山の楽しみのひとつを、存分に堪能しました。ここまでで登り始めて40分ほど。終始歩きやすい道なので、健脚の方なら30分もあれあたどりつけるかもしれません。 目的の〝日本〟と〝世界〟は制したのですが、縦走ルートはまだ半分残っています。後編では一転、アップダウンの激しいワイルドな展開に──。
今田 壮(風来堂)