一見何の変哲もない「住宅街のお地蔵様」しかし“ただ一つだけ”「戸惑いを隠せない違和感」が...藤沢市
【プライスレス藤沢】
~藤沢の魅力を再発見~
藤沢市内で見つけたプライスレスな情報シリーズ。79カ所目は、小田急江ノ島線「藤沢本町駅」から歩いて2~3分の住宅街の三叉路に祀られている『北向地蔵尊(きたむきじぞうそん)』です。
名前の通り、北を向いて鎮座する『北向地蔵尊』。
享保10年(1725年)江戸時代に誕生したものと言われ、右手には「錫杖(しゃくじょう)」、左手には、災難を除きいかなる願いごとも叶えるという「宝珠(ほうじゅ)」を持っています。
この一見何の変哲もないお地蔵様ですが...妙な違和感を覚えませんか?
なぜ名前にわざわざ“北向”とついていて、北を向いているのでしょうか?
『北向地蔵尊』を知った時、ふと祖父母が「北向きは縁起が悪い」とか「北向きは避けて」なんて言っていたことを思い出した筆者。根拠はないようですが、仏壇も北向きを避けたりしますよね。また多くの神社仏閣や『東大寺』の大仏も、北を避け、南を向いて建てられています。
これらの“向き”について調べると、北側に立ち南側を向く「王者南面」の思想が関係していることがわかりました。「王者南面」のほかにも「君子南面す」「天子は南面す」という言葉が古くからあるように、偉い人(王座)は上座(北)に立つことが重要視されてきました。
となると、北を向いたお地蔵様は一体何を見つめているのか...ますます気になります。
そもそも、お地蔵様は菩薩の一種(地蔵菩薩)。菩薩について略述すると、悟りを求めて修行する僧侶のこと。「地蔵菩薩」は常に弱い人間に寄り添い、大きな慈悲の心で人々を救うといわれています。
この『北向地蔵尊』のまわりに「北向きの理由」などが書かれた案内板はないので詳細は不明ですが、上記の点から推察すると...
あえて庶民と同じ下座(南を背にし北向き)に立ち、藤沢の人々を見つめ、寄り添われているのではないでしょうか(あくまで個人の推察です。なお他地域にも同じような理由の『北向地蔵』が存在します)。
そう思うと、なんだか少し胸が熱くなりますね…。
全国に500万体あると言われているお地蔵様のうち、400体ほどしかない『北向地蔵』。藤沢本町を訪れた際は、ぜひ足を止め、北を向いたお地蔵様に手を合わせてみませんか?
基本情報
『北向地蔵尊』
住所:藤沢市藤沢3丁目2-16
※駐車場は無いため、行かれる際は公共交通機関をご利用ください。
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