Yahoo!ニュース

主要国では「自国の裁判所は平等に判断を下している」には44%のみが同意

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 自国の裁判所は平等に判断を下しているのだろうか。人々の考えは。(写真:アフロ)

民主主義を支える大きな役割を果たすのが、明文化された法律を適切な判断で守らせるための存在となる裁判所。裁判所が権力の圧力に屈することなく、経済的な誘惑に惑わされず、法に則った判断を下してこそ、民主主義は正しく国に浸透することになる。今回はアメリカ合衆国の民間調査会社Pew Research Centerが2019年4月に発表した、民主主義諸国における民主主義の浸透度合い、国民の認識に関する調査結果「Many Across the Globe Are Dissatisfied With How Democracy Is Working」(※)から、民主主義体制の諸国における、裁判所の平等性に対する国民の評価を確認する。

次に示すのは自国の裁判所が権力におもねたり、経済的な誘惑に負けることなく、法の下での平等の理念に基づいて判断を下していると思うか否かについて、択一で回答してもらったもの。実際には選択肢として「大変そう」「そこそこそう」「あまりそうでは無い」「まったくそうでは無い」「その他」の中から一つを選んでもらい、そのうち肯定的な「大変そう」「そこそこそう」の合算を「はい」としている。「あまりそうでは無い」「まったくそうでは無い」の合算が「いいえ」となる。

↑ 自国の裁判所は平等に判断を下している(2018年春)
↑ 自国の裁判所は平等に判断を下している(2018年春)

全体では44%がその通りとし、53%が否定している。要は過半数の人は自国の裁判所に対し平等な判断を下しているとは考えていない、不信感を抱いていることになる。53%のうちどれほどが強い不信感なのか、どちらかというと平等では無いかな、という程度なのかまではこのグラフでは推し量ることはできないが、裁判所への不信感は相当強いようだ。

半数以上の人が裁判所の平等さを感じている国はカナダ、オランダ、スウェーデン、ドイツ、イギリス、インドネシア、フィリピン、日本、オーストラリア、イスラエル、ケニア。平等では無いとの回答率が7割を超えている国はギリシャ、イタリア、スペイン、韓国、ブラジル、アルゼンチン。地域別な傾向は見出しにくく、むしろ景況感のよし悪しが影響していそうな感はある。

ちなみに詳細回答値から「まったくそうでは無い」、つまり「自国の裁判所はまったく平等では無い」の値を確認した結果が次のグラフ。要は自国の司法制度に失望感を覚えている人の割合になるのだろうか。

↑ 自国の裁判所は平等に判断を下している(「まったくそうでは無い」の回答率)(2018年春)
↑ 自国の裁判所は平等に判断を下している(「まったくそうでは無い」の回答率)(2018年春)

ヨーロッパではスペインが飛び抜けて高く51%、南米ではいずれも高い値で、特にアルゼンチンでは57%を示している。高い値を示す国のニュースを思い返すに、色々と思い当たる節がある人も多いことだろう。

■関連記事:

諸外国の人たちが信頼を寄せているのはどのような組織・制度なのか

自衛隊最高評価…公的機関への信頼度をグラフ化してみる

※Many Across the Globe Are Dissatisfied With How Democracy Is Working

おおよその国では2018年3月から5月にかけてRDD方式で選出された18歳以上の1000人前後の人に対し、電話経由によるインタビュー形式で行われたもので、それぞれの国の国勢調査の結果に基づき男女別、年齢、教育、地域などの属性によるウェイトバックが実施されている。一部の国では対面方式による調査方法が用いられている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。

(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロで無いプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

不破雷蔵の最近の記事