カルロス・ゴーン被告らを汚職などの罪で公判請求 文化相に金銭渡した疑いでフランス検察が捜査
FNNプライムオンライン(フジテレビ系)
解説ダチ文化相は、サルコジ政権のもとでも閣僚を務めた保守派の重鎮で、マクロン大統領が保守派取り込みの一環として一本釣りした人物だ。 具体的には彼女の欧州議会議員で議会の産業委員会のメンバーだった時代に、弁護士報酬を受け取っていながら、実態が伴っていたものではなく、ルノー・日産による買収行為だったのではないか、との疑惑だ。ゴーン被告も出廷が求めらているが、彼はフランスに戻ることはないだろう。しかし、ダチ氏は26年のパリ市長選挙出馬を予定しているとされるから、もし有罪となればこれは難しくなる。 フランスの政治家の権力は絶大だ。この事件以外にもダチ氏には嫌疑がかけられているが、これも政治家が買収や規制案件に口先介入できるようなネットワークと権力を持っているためだ。権力は何のためにあるか、再考すべき時に来ているように思える。
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専門は比較政治、欧州政治。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。日本貿易振興機構(JETRO)パリ・センター、パリ政治学院招聘教授、ニューヨーク大学客員研究員、北海道大学法学研究科教授等を得て現職。フランス国立社会科学高等研究院リサーチ・アソシエイト、シノドス国際社会動向研究所理事。著書に『アフター・リベラル』(講談社現代新書)、『ポピュリズムを考える』(ちくま新書)、『感情の政治学』(講談社メチエ)『ミッテラン社会党の転換』(法政大学出版局)、編著に『ヨーロッパ統合とフランス』(法律文化社)、『現代政治のリーダーシップ』(岩波書店) など。
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