解説現段階では何が目的の事件かはまったくわかりません。殺人は大前提としてあるわけですが、その殺人が目的であったのか手段であったのかによって解釈が大きく変わります。 目的であった場合、殺人の加害者と被害者の面識率は90%を超えます。そしてその動機の60%以上は憤懣・不満という負の感情となります。つまり日常性を送る中での人間関係上のストレスが大きくたまり、それが一気に爆発して起こるのが殺人等言うことができます。 しかし、手段であった場合。例えば強盗殺人のような事件では、殺人は金品を奪うための手段となります。こうした場合、面識等とは関係なく、実行しやすいかどうかという点が最大の判断材料となります。 今回の事件の背景はなんであるのか、今後の捜査の展開が待たれます。
コメンテータープロフィール
東京学芸大学大学院修了後、法務省に心理職として入省。全国の少年鑑別所・刑務所・拘置所で犯罪者を心理学的に分析する資質鑑別に従事。分析した犯罪者数は1万人を超える。その他、法務大臣官房秘書課国際室勤務等を経て、2007年に法務総合研究所室長研究官を最後に退官し、東京未来大学教授に着任。2013年からは学部長。TV等メディアを通しての発信も多く、年間の報道・情報番組の出演は200本を超える。バラエティでもフジテレビ「全力!脱力タイムズ」のレギュラーを8年以上続けている。近著に、「犯罪心理学者が教える子どもを呪う言葉・救う言葉」(SB新書、2022年)、「犯罪心理学者は見た危ない子育て」がある。
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