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山田吉彦

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海洋問題研究者/東海大学海洋学部海洋理工学科教授

報告

解説今年のさんま棒受け漁は、例年より早く8月10日に始まった。例年は、小型漁船、中型漁船、最後に主力の大型漁船と段階を経て出漁していたが、今年は、小、中、大一斉に出漁している。今年の水揚げが昨年より多いのは、、主力級漁船を初日から投入していることが理由だ。例年であれば、8月後半に大型船が出漁し、水揚げ高も増加して行くのだ。 昨年の初水揚げには、多くの漁船が出漁していない。さらに、漁場が遠く、小型船では行けないため、水揚げも極端に少なく、セリ価格も高騰した。昨年の水揚げ高、セリ値と比較することは、誤解を招く。今年、サンマが豊漁となり、価格的にも安くなる兆候ではない。根室市内のサンマが安く販売されていたのはサービス価格で、これでは採算が取れないだろう。 全ての漁船が出漁可能な状態において、一日36トン程度の水揚げは、豊漁ということはできない。これからもサンマの水揚げには目を向けたい。

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  • 勝川俊雄

    東京海洋大学 准教授、 海の幸を未来に残す会 理事

    補足漁期前の国の調査から、サンマ資源が昨年並みの低水準で、サイズが小さいことがわかっています。URLを書…続きを読む

コメンテータープロフィール

山田吉彦

海洋問題研究者/東海大学海洋学部海洋理工学科教授

東海大学海洋学部教授。1962年千葉県出身。学習院大学経済学部卒後、金融機関を経て日本船舶振興会(現日本財団)に勤務。勤務の傍ら埼玉大学大学院博士課程修了。博士(経済学)。2009年東海大学教授。海難審判庁業務改善委員会委員、国土交通省海洋政策懇談会委員、東京都専門委員などを歴任。八重山自然大使。海洋コメンテータとして各種メディアで海洋問題を解説。著書、日本の国境(新潮新書)ほか多数。

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