中国、台湾漁船を拿捕 金門島周辺の海域
中央社フォーカス台湾
解説中国習近平政権は、台湾を取り込み、ひとつの中国の実現に向け実力行使をはじめた。中国の国内法により、台湾漁船を拿捕し、金門島海域での中国の主権を示したのである。 台湾における頼政権誕生に当たり、中国は金門島海域の支配を強化し、武装した中国海警船で同島を取り囲んでいる。いずれ強行策に出ることが予測されていたが、国際社会は対応できずにいた。台湾を主権国家として認知していない国際社会は対応する術をもたないのだ。自由を奪われた香港の二の舞を踏んでいる。日本も台湾を国家として認めていないため、政府が台湾を支援することは出来ない。台湾との外交関係を明確にすべき時が来ているのだ。 本件は、尖閣諸島にも危険が迫っていることを示している。尖閣周辺に出漁する漁船にも中国による拿捕の可能性があるのだ。いち早く、尖閣諸島の管理体制の構築が必要である。
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東海大学海洋学部教授。1962年千葉県出身。学習院大学経済学部卒後、金融機関を経て日本船舶振興会(現日本財団)に勤務。勤務の傍ら埼玉大学大学院博士課程修了。博士(経済学)。2009年東海大学教授。海難審判庁業務改善委員会委員、国土交通省海洋政策懇談会委員、東京都専門委員などを歴任。八重山自然大使。海洋コメンテータとして各種メディアで海洋問題を解説。著書、日本の国境(新潮新書)ほか多数。