JAXAに複数回サイバー攻撃、機密流出か NASA、トヨタ情報も
朝日新聞デジタル
解説JAXAについては、2021年にも、中国人民解放軍のサイバー攻撃部隊「61419部隊」の指示を受けたハッカー集団「Tick」によってサイバー攻撃を受けていたことが判明しています。この時も、JAXA以外に、防衛関係の企業など200近い企業や研究機関が大規模サイバー攻撃を受けています。Tickは、日本や韓国などを標的にしているグループで、サイバースパイ工作グループと言えます。 当時のJAXAへの攻撃では、中国のハッカー集団による攻撃の通信が一部暗号化されていなかったという相手側のミスがあったため、アトリビューション(攻撃元)を把握することができた。それによって、日本に滞在していた中国共産党員の男性が攻撃に使われたレンタルサーバーを偽名で契約したこともわかり、書類送検されています。 この手のサイバー攻撃は犯罪というレベルを超えて、安全保障的な対策を整える必要があります。
国際情勢アナリスト、国際ジャーナリスト、日本大学客員研究員。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版、MIT(マサチューセッツ工科大学)フルブライトフェローを経てフリーに。最新刊は『プーチンと習近平 独裁者のサイバー戦争』(文春新書)。著書に『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』、『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』、『CIAスパイ養成官』、『サイバー戦争の今』、『世界のスパイから喰いモノにされる日本』、『死体格差 異状死17万人の衝撃』。 *連絡先:official.yamada.toshihiro@gmail.com