見解教員は、校外実習の当日に生徒を引率するのと同じコースを同じ方法で通って事前に下見をします。多数の生徒を引き連れた状態で現場で道に迷うなどして身動きをとれなくなるとそれ自体が危険だからです。私が過去に担当した教員の労働事件では、校外実習の際の下見の不十分さを教育委員会側が不利益処分の理由にしました。本件についても、下見を十分にできないだけでも、学校生徒の招待中止を求める十分な理由になるでしょう。 そして、メタンガスの爆発が起きた場所へ生徒を引率するのは、生徒の安全性の問題だけではなく、労働者としての教員の安全の問題にもかかわります。ここについて、絶対的な安全性が確保されない限り、そもそも校外実習の対象にはなり得ないと考えます。
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コメンテータープロフィール
1978年生。日本労働弁護団常任幹事、自由法曹団常任幹事、京都脱原発弁護団事務局長。労働者側の労働事件・労災・過労死事件、行政相手の行政事件を手がけています。残業代計算用エクセル「給与第一」開発者。基本はマチ弁なので何でもこなせるゼネラリストを目指しています。著作に『新版 残業代請求の理論と実務』(2021年 旬報社)。