補足年内の利下げ回数の減少(3回→1回)と中立金利の引き上げ(2.6%→2.75%)は、タカ派的なメッセージでした。ただし、前回5月の声明文で物価目標に向けての「進展欠如」とされていた部分が今回は「緩やかながらも一段の進展があった」に変わったのはハト派的。先に発表された5月の消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回り、インフレ鈍化を示したことも市場の安心材料となりました。金利先物にみる市場参加者の年内の利下げ回数予想は、CPI発表前1.6回→CPI発表後2.1回→FOMC後1.7回と変化。結果的に利下げ回数は若干増えており、市場はCPIとFOMCをトータルで見て幾分緩和的と捉えた模様です。一方、市場は利下げのボトムを、中立金利を大きく上回る3.9%と予想しています。これはインフレ率が2%目標に着地しない、との見立てを反映するものです。
同じ記事に対する他のコメンテーターコメント
コメンテータープロフィール
1974年生まれ。99年に株式会社大和総研へ入社。以降、内閣府、SMBC日興証券株式会社でエコノミスト業務に従事。2017年1月より現職。専門はマクロ経済(国内外の景気、財政・金融政策)と金融市場(株式、債券、コモディティ等)
関連リンク(外部サイト)