解説ECBの利下げは規定路線でした。政策金利からインフレ率を差し引いた実質政策金利は5月時点で1.4%とユーロ圏の潜在成長率を上回っており、景気抑制的な水準にありました。利下げは早すぎればインフレを再燃させますが、遅すぎれば無用な景気後退を招きます。ECBは双方のリスクを天秤にかけた上で利下げに踏み切ったと言えます。 利下げ開始は予想通りですが、見通しにくくなったのは今後の利下げ経路。ECBは特定の経路を予め約束しないとし、データ次第の政策を強調しています。データの中でも特に重視される妥結賃金が1−3月期は予想に反して加速しました。理事会内のタカ派が慎重姿勢を強める材料となったことは確かで、連続利下げの可能性は後退したと言えます。今後は四半期に一度出る妥結賃金を見ながら政策運営がなされる見込み。データが出るのは年内では8月と11月。これを見た上でECBは9月と12月に追加利下げを行う公算です。
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コメンテータープロフィール
1974年生まれ。99年に株式会社大和総研へ入社。以降、内閣府、SMBC日興証券株式会社でエコノミスト業務に従事。2017年1月より現職。専門はマクロ経済(国内外の景気、財政・金融政策)と金融市場(株式、債券、コモディティ等)
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