【博多駅前女性刺殺事件】寺内進被告(32)に懲役20年 福岡地裁が判決「計画性はなく衝動的に殺害」 元交際相手に対する”つきまとい”認定も”待ち伏せ”は認めず
去年1月、博多駅前の路上で元交際相手の女性につきまとったうえ包丁で刺して殺害したとして、殺人などの罪に問われた男の裁判員裁判。福岡地裁は男に懲役20年の判決を言い渡しました。検察が主張した「計画性」を認めず、「衝動的に殺害した」としています。 【写真で見る】ストーカー行為の末に元交際相手の女性を殺害 法廷での寺内被告の様子
元交際相手の女性を刺殺
判決を受けたのは元飲食店従業員の寺内進被告(32)です。判決によりますと、寺内被告は去年1月、福岡市の博多駅前の路上で元交際相手の川野美樹さん(当時38)を、胸や頭など包丁で複数回突き刺し殺害しました。きょうの判決で、福岡地裁の冨田敦史裁判長は、寺内被告に懲役20年を言い渡しました。(別の傷害事件も含む量刑) 寺内被告が否認していた川野さんに対するつきまとい行為は認めたものの、「待ち伏せ」行為については、「合理的な疑いが残る」として認めませんでした。判決は、「被告が立ち止まっていた場所は川野さんの会社が入っているビルの人の出入りを確認できる位置関係にない」とした上で、「長時間立ち止まっていたわけではなく、3分間と比較的短い時間立ち止まっていただけ。間違いなく待ち伏せしていたと言えるかについては疑問が残る」とし「計画性はなく衝動的に殺害した」としています。 判決後、冨田敦史裁判長は、「あなたの反省の言葉は表面的なものでした。自分がどうしてこの犯罪を犯したかについて十分考えが至っているとは思えませんでした。これから生涯をかけてこの事件に向き合い被害者に償いをしていってください」と寺内被告を諭しました。
寺内被告「控訴しない」
白いTシャツにマスクを着用して入廷した寺内被告。まっすぐに前を見て裁判長の判決言い渡しを聞いていました。 弁護人によると、判決後、寺内被告は弁護人に対し「被害者や遺族に申し訳ない。(判決については)自分のやったことに対して当然のことだと受け止めている。服役する中で被害者に対して深く反省しながら被害者への冥福を祈り続けたい」などと話していて、控訴しない方針だということです。