Yahoo!ニュース

遠田晋次

遠田晋次

認証済み

東北大学災害科学国際研究所 教授

報告

2020年末から続く一連の群発地震活動で最大の地震になりました.2年半経った今でも珠洲市北部を中心に活動は継続していました.昨年末には一旦発生ペースがやや鈍ったようにもみえましたが,今年になって再度活発化しています.これまでで最大の地震は,昨年6月19日のM5.4,最大震度6弱でしたが,これを大きく更新するほどの地震になりました.地殻変動も2年前から続いていて,全体として地表面が膨張・隆起し,珠洲市中心部では2020年前に比べて4cm以上隆起しています.以前から指摘されているように,珠洲の北の沖合には珠洲沖セグメント(活断層)もあり,さらに大きなM7程度の地震を起こす可能性も考えておかなければなりません.1993年にも沖合でM6.3の地震が発生しています.群発地震活動の終息傾向がみえないので,今回の地震の余震も含め,今後もしばらくは強い揺れに注意が必要だと思います.

こちらの記事は掲載が終了しています

参考になった962

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

コメンテータープロフィール

遠田晋次

東北大学災害科学国際研究所 教授

専門は地震地質学、活断層研究。宮崎県出身。電力中央研究所研究員、東京大学地震研究所助手、産業技術総合研究所活断層研究センター研究員、京都大学防災研究所准教授を経て2012年より現職。著書に『連鎖する大地震』(岩波科学ライブラリー)、『活断層地震はどこまで予測可能か』(講談社ブルーバックス)。

関連リンク(外部サイト)

遠田晋次の最近のコメント