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遠田晋次

遠田晋次

認証済み

東北大学災害科学国際研究所 教授

報告

補足日本では沖縄県に津波警報が出されていますが,それはおそらく台湾から南西諸島の南に延びる琉球海溝で地震が起こったことを想定したものだと思います.しかし,実際の震源は台湾東岸に平行に南北に延びる台湾縦谷断層帯で発生した地震です.深さが35kmと,熊本地震や能登半島地震(10数km)に比べてやや深いとは言え,直下型地震と考えても良いものです.この断層帯はフィリピン海プレートと台湾のプレート境界にもなっていて,今回の震源域では1951年にM7.5の地震が発生しています.フィリピン海プレートは年間8センチ程度で台湾を南東から押しています.単純に考えて,1951年の地震から73年経っていますので,断層が6m程度ズレ動くほどの歪みを溜めている状況だったということです.なお,1951年はこの断層帯で地震が連鎖的に発生しています.現地では津波よりも揺れによる被害の方が深刻だと思います.大きな余震も心配です.

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  • 高口康太

    ジャーナリスト、翻訳家

    補足台湾政府の記者会見を見ていますが、まだ被害の全貌は把握されていません。東部・花蓮県の震度がもっとも高…続きを読む

  • 田中美帆

    台湾ルポライター

    補足在台11年、台北で過去に感じたことのない揺れの大きさでした。台北、新北、桃園などで震度5弱、最大は震…続きを読む

コメンテータープロフィール

遠田晋次

東北大学災害科学国際研究所 教授

専門は地震地質学、活断層研究。宮崎県出身。電力中央研究所研究員、東京大学地震研究所助手、産業技術総合研究所活断層研究センター研究員、京都大学防災研究所准教授を経て2012年より現職。著書に『連鎖する大地震』(岩波科学ライブラリー)、『活断層地震はどこまで予測可能か』(講談社ブルーバックス)。

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