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遠田晋次

遠田晋次

認証済み

東北大学災害科学国際研究所 教授

報告

解説今回の地震は,茨城県南部直下の深さ40-60kmにある,いわゆる「地震の巣」で発生した地震の1つです.「地震の巣」とは地震が集中的に発生する場所,地震活動集中域,地震のクラスターといっても良いところで,関東平野直下にはそのような場所が複数あります.今回は栃木県佐野市の南東部から坂東市(つくば市の少し西)直下にかけて北西ー南東に延びる「地震の巣」から発生したと思われます.南から沈み込んだフィリピン海プレートの上面にあたる部分です(私は別のプレートと考えていますが).この「地震の巣」では,M5を超える地震が過去26年間に13回起こっています.平均2年に1度ほど今回と同じ程度の地震が起こっています.過去最大は2016年のM5.5で,この時にも最大震度5弱を観測しています.その意味では特段異常な活動とは考えにくいですが,この地震をきっかけに,再度地震への備えを確認していただければと思います.

コメンテータープロフィール

遠田晋次

東北大学災害科学国際研究所 教授

専門は地震地質学、活断層研究。宮崎県出身。電力中央研究所研究員、東京大学地震研究所助手、産業技術総合研究所活断層研究センター研究員、京都大学防災研究所准教授を経て2012年より現職。著書に『連鎖する大地震』(岩波科学ライブラリー)、『活断層地震はどこまで予測可能か』(講談社ブルーバックス)。

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