見解記事中の数値から粗く計算してみると、22年度中の「無縁遺体」の件数が最も多かった横浜市(1,659人)は、22年中の死亡数(39,446人)から考えると、死亡数の約4%が無縁遺体と考えられます。次に多かった江東区(501人)は、22年中の死亡数(4,631人)から考えると約11%となります。いずれも驚くべき数値です。 その対応にあたる自治体の担当者の心身両面(さらには財政面)の負担は相当なものだと推察できます。こうした無縁遺体をめぐる問題は、家族規模が小規模化した都市部で顕著になっています。 法的には、亡くなった人の遺体を引き取る義務を親族などに課す規定はありません。家族・親族間の関わりの希薄化や少子化の進展など、社会的状況の変化に起因して、こうした課題が拡大しているものと考えられます。 最近になって拡大している老後の身元保障の問題も、同様の要因・様相にあるのだと考えられます。
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コメンテータープロフィール
1964年・島根県生まれ。1986年から医療ソーシャルワーカーやケアマネジャーの実務を経験し、2005年から東洋大学で介護福祉士などの福祉専門職養成と高齢者福祉・介護保険制度・ケアマネジメントの研究を行う。社会福祉士・介護支援専門員。
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