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高橋和夫

高橋和夫認証済み

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国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

報告

補足アレッポに続いてハマが反体制派の手に落ちた。反体制派は、南下してホムスに迫っている。ハマとホムスの間のオロンテス川にかかる橋を爆破してアサド政権側は、この進撃を阻止しようとしている。貴重な経済インフラを自ら破壊しようとする点にも政権側の危機感がうかがわれる。  ホムスはシリア南部の首都ダマスカスと北西部の地中海岸とを結ぶ要衝である。ここを失えば、アサド政権の支配地域が分断される。首都ダマスカスの重要性は指摘するまでもないが、海岸地域の背後の山岳地帯はアサド政権の支持母体であるアラウィー派の出身地である。ホムスから多くのアラウィー派の住民が、北西部に避難を始めたと報道されている。また地中海岸沿いの港湾都市タルタスは、ロシア海軍の拠点となっている。ロシアやイランが大規模に介入するとすれば、今が、その時であろう。もしホムスが失われてしまえば、アサド政権は中央政権から一地方政権へと没落する。

コメンテータープロフィール

高橋和夫

国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

国際情勢をわかる言葉で、まず自分自身に語りたいと思っています。北九州で生まれ育ち、大阪とニューヨークで勉強し、クウェートでの滞在経験もあります。アメリカで中東を研究した日本人という三つの視点を大切にしています。映像メディアに深い不信感を抱きながらも、放送大学ではテレビで講義をするという矛盾した存在です。及ばないながらも努力を続け、その過程を読者の皆様と共有できればと希求しています。

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