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高口康太

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ジャーナリスト、翻訳家

報告

見解9月末から中国共産党は大々的な経済対策を打ち出してきました。その総仕上げが今回の全人代常務委員会です。どれだけの財政出動があるのかという規模が注目されていました。この1カ月あまりは期待と悲観が交差する、野次馬からするとワクワクする期間だったわけですが、さて結果はどのように評価できるでしょうか。金額は膨大ですが、3年で6兆元の債務置き換えと5年4兆元の地方債の発行枠拡大という構成です。 債務置き換えのほうは地方財政強化になりますが、直接の財政出動ではありません。発行枠拡大は年で割ると0.8兆元。10兆元と言われるとテンションが上がりますが、実は年0.8兆元ぐらいの効果……とすると、かなり弱いような。中国のマーケットもあまり盛り上がっていない、どちらかという肩透かしだったという評価が強いように見受けられます。

コメンテータープロフィール

ジャーナリスト、翻訳家。 1976年生まれ。二度の中国留学を経て、中国を専門とするジャーナリストに。中国の経済、企業、社会、そして在日中国人社会など幅広く取材し、『ニューズウィーク日本版』『週刊東洋経済』『Wedge』など各誌に寄稿している。著書に『なぜ、習近平は激怒したのか――人気漫画家が亡命した理由』(祥伝社)、『現代中国経営者列伝』(星海社新書)。

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