「報告徴収・質問権」について、宗教法人の6割を超える団体が「妥当」との回答は、解散命令請求に向けた追い風になると思います。 今回の問題は非常に偏った思想をもとに、霊感商法や高額献金を行い、多くの被害が出したところです。伝道においても「アンケートをしています」と教団の正体を隠して声をかけ、教義を教える場であることも隠してビデオセンターに連れて行きました。しかもこれが全国で同じような手法で行われており、一般の宗教団体とは違うところです。 教団ではこの世の法よりも、教義による天法を優先するように指示されており、これも問題を引き起こした大きな要因の一つになっています。しかも真摯に文化庁の行う質問権や、被害者救済に取り組んでいるとはいえない状況もあり、今後も被害が出る恐れがあります。 これからは、さらに良識ある宗教界の人たちが増えることでカルト思想による問題解決の道がみえてくると考えています。
コメンテータープロフィール
2001年~02年まで、誘われたらついていく雑誌連載を担当。潜入は100ヶ所以上。20年の取材経験から、あらゆる詐欺・悪質商法の実態に精通。「ついていったらこうなった」(彩図社)は番組化し、特番で第8弾まで放送。多数のテレビ番組に出演している。 旧統一教会の元信者だった経験をもとに、教団の問題だけでなく世の中で行われる騙しの手口をいち早く見抜き、被害防止のための講演、講座も行う。2017年~2018年に消費者庁「若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会」の委員を務める。近著に『信じる者は、ダマされる。~元統一教会信者だから書けた「マインドコントロール」の手口』(清談社Publico)