見解厳しい家庭環境、精神的な問題、学業不振から学校が厳しくなり社会的ひきこもりになる方はたくさんおられますし、それは一時的には立派な対処手段です。一方、それが長く続くと今度はひきこもることで心身の不調をきたすため、長期間のひきこもりは精神的福祉的支援が必要です。一方、内閣府の調査基準には孤立を苦痛と思っているかが基準には入っていません。これまでの支援は社会復帰として登校や就労を唯一の目標とする気風がありましたが、不登校や社会的ひきこもりが増えている現状では、苦痛だと感じていない人には孤独を予防する教育や将来の生活保障の相談支援、苦痛だと感じている人には積極的な心理状態評価の訪問相談支援など多様性を踏まえた総合的な対策の変更を考えるべき時期だと思います。
コメンテータープロフィール
1993年筑波大学医学専門学群卒業。 筑波大学附属病院、茨城県精神保健福祉センター、茨城県立友部病院、筑波大学保健管理センターを経て現職。青年期精神医学、災害精神医学、自殺予防学が専門。様々な時事問題に隠れるメンタルヘルスの諸相を、個人と社会の相互関係から考察する。茨城県災害・地域精神医学研究センター部長、日本自殺予防学会理事も務める。著書「つながりからみた自殺予防」など。
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