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末冨芳

末冨芳

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日本大学教授・こども家庭庁こども家庭審議会部会委員

報告

解説子どもたちを性犯罪の前歴者から守る日本版DBS法案(こども性暴力防止法案)がいよいよ国会審議に入りました。子どもたちの守られる権利の実現のための非常に重要な法案です。この法案の焦点は就業制限の期間(最長20年)、起訴歴だけが犯歴となる、学校・園だけの義務化(民間事業者・非営利団体は任意、個人開業は対象外)、性暴力・性犯罪被害の深刻さに対する国民的リテラシーの向上策、加害者の治療更生策の徹底やフォローアップ策等です。 またDBSは再犯防止策であって、初犯防止策ではありません。法案には学校・園や事業者の「安全確保」が規定されていますが、具体的に何をすれば、子どもたちへの性暴力が減るのかの制度設計も今後の課題です。 国会で審議が尽くされ、より良い法となって、子どもたちを性犯罪・性暴力から守れる日本にと願っています。加害当事者の方も「第一に考慮すべきは子どもの人権です」とおっしゃっています。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 小川たまか

    ライター

    補足記事の中で「子どもだって気持ちが良いだろう」と自分の加害行為を正当化していたことが語られていますが、…続きを読む

  • 京師美佳

    防犯アドバイザー/犯罪予知アナリスト

    見解守るべきは、加害者の職業選択の自由やプライバシーではなく、子供の安全です。日本版DBSは必要であり、…続きを読む

コメンテータープロフィール

末冨芳

日本大学教授・こども家庭庁こども家庭審議会部会委員

末冨 芳(すえとみ かおり)、専門は教育行政学、教育財政学。子どもの貧困対策は「すべての子ども・若者のウェルビーイング(幸せ)」がゴール、という理論的立場のもと、2014年より内閣府・子どもの貧困対策に有識者として参画。教育費問題を研究。家計教育費負担に依存しつづけ成熟期を通り過ぎた日本の教育政策を、格差・貧困の改善という視点から分析し共に改善するというアクティビスト型の研究活動も展開。多様な教育機会や教育のイノベーション、学校内居場所カフェも研究対象とする。主著に『教育費の政治経済学』(勁草書房)、『子どもの貧困対策と教育支援』(明石書店,編著)など。

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末冨芳の最近のコメント

  • 末冨芳

    日本大学教授・こども家庭庁こども家庭審議会部会委員

    解説子どもの貧困率が下がっているではないか、という意見もありますが、日本の相対的貧困率は11.5%、9人…続きを読む

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  • 末冨芳

    日本大学教授・こども家庭庁こども家庭審議会部会委員

    見解子どもたちの権利や安全が十分に位置付けられないままの心配な状態の法案が、衆議院を通過してしまいました…続きを読む

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