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末冨芳

末冨芳

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日本大学教授・こども家庭庁こども家庭審議会部会委員

報告

ハーグ条約が親のためではなく子どもの利益を守るための条約であることは日本では軽視されています。 また共同親権という日本語=明治以来変わらない親の支配を認める日本の民法親権と、ハーグ条約含め国際条約・法で規定される親権(custody)の間には隔たりがあります。 大切なのは子ども自身の最善の利益の擁護と実現です。片親の連れ去りが緊急避難である場合やそうでない場合も含め、子ども自身のケアや権利擁護や意見表明を支える仕組みは、日本は未整備でフランスとは比較になりません。 2023年発足予定のこども庁では子どもの権利擁護の仕組みも検討されており、ハーグ条約問題含め子どもを大切にした支援体制の構築が急がれます。 日本人親が安易な連れ去りをしなくて済むようそもそも相談体制の充実、日本でも子どもの最善の利益を実現する大人の意識・行動変容が急がれます。基本法制である子ども基本法の制定も急務です。

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同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 近藤陽介

    弁護士(漣法律事務所代表)

    実際に逮捕されるまでには至らない可能性もあり、片親が子どもに会わせてくれないことへの問題提起という意…続きを読む

コメンテータープロフィール

末冨芳

日本大学教授・こども家庭庁こども家庭審議会部会委員

末冨 芳(すえとみ かおり)、専門は教育行政学、教育財政学。子どもの貧困対策は「すべての子ども・若者のウェルビーイング(幸せ)」がゴール、という理論的立場のもと、2014年より内閣府・子どもの貧困対策に有識者として参画。教育費問題を研究。家計教育費負担に依存しつづけ成熟期を通り過ぎた日本の教育政策を、格差・貧困の改善という視点から分析し共に改善するというアクティビスト型の研究活動も展開。多様な教育機会や教育のイノベーション、学校内居場所カフェも研究対象とする。主著に『教育費の政治経済学』(勁草書房)、『子どもの貧困対策と教育支援』(明石書店,編著)など。

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