解説警察は選挙期間中の強制捜査を避けていたということだ。 警視庁が「つばさの党」の事務所への家宅捜索を行ったという。 筆者は東京15区の補選の調査で、現地で「つばさの党」の行動を経験した。 公選法の改正や、厳罰化の声も出る中で、この警視庁の行動は、現行法制で取り締まることができることを示したという側面があるだろう。 「つばさの党」は東京都知事選でも同様の行動をとることを予告しており、それに対する抑止という意味もあると考えられる。 この行動によって、候補者は街頭演説の予定を公表できず、有権者は候補者の政策を知る機会を奪われたという側面もあるともとられる。問題は候補者の「表現の自由」と、有権者の「知る権利」の相克の中にある。 有権者の「知る権利」が尊重されてしかるべき、という判断ともとられる。 今後の展開を注視したい。
同じ記事に対する他のコメンテーターコメント
コメンテータープロフィール
日本政治法律学会理事長。博士(政治学)。日本の政治、選挙、政策変容を中心に、それとの比較で海外の政治変容にも関心を持つ。東京、地方での講義、講演、出演依頼は可能な限り喜んで引き受けている。というのも多様な地域の大学での研究、講義経験や、政治家、ジャーナリスト、研究者、市民からの示唆は、自分の糧であり、その交流は喜びである。国内では静岡大学助教授、長崎県立大学専任講師、海外では英国オックスフォード大学ニッサン日本研究所、オックスフォード大学ペンブローク・カレッジ客員フェロー、ドイツ連邦共和国マンハイム大学客員教授、ノルウェー王国オスロ大学客員研究員等、学会では日本政治学会理事なども歴任した。