補足商業広告にももちろん「表現の自由」の保障は及びますが、強要や詐欺は「表現の自由」によっても保護されず、規制が必要な事柄です。この記事のような詐欺は、まさに詐欺そのものですから、詐欺罪に問うことは当然です。が、そうした被害が生じてからの処罰ではなく、その前に、そうした詐欺誘導表現をどうするか…。という問題が深刻化してきました。 日本では、事業者の商業広告については、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)によって虚偽広告や誇張広告が規制されています。著名人を顧客誘引に使う広告の場合、ステルスマーケティングに著名人を使ってはならず広告主を明示するルールも導入されました。 が、「事業」とも言えない個人による詐欺には、こうした事業者規制では対応しようがなく、詐欺誘引表現そのものの実態に照らした対処が必要です。ユーザー報告に基づいたプラットフォーム事業者による対応にも、期待したいところです。
コメンテータープロフィール
東京生まれ。専門は憲法。博士(法学・論文・早稲田大学)。2000年より武蔵野美術大学で 表現者のための法学および憲法を担当。「表現の自由」を中心とした法ルール、 文化芸術に関連する法律分野、人格権、文化的衝突が民主過程や人権保障に影響を及ぼす「文化戦争」問題を研究対象にしている。著書に『文化戦争と憲法理論』(博士号取得論文・2006年)、『映画で学ぶ憲法』(編著・2014年)、『表現者のための憲法入門』(2015年)、『合格水準 教職のための憲法』(共著・2017年)、『「表現の自由」の明日へ』(2018年)。
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