見解今回の判決には、元刑事として非常に衝撃を受けました。 しかしながら、警察や検察の捜査が不十分だったとは思えません。長期にわたる捜査の中で、多くの状況証拠を積み上げた警察の執念は、疑いようのない事実です。 今回の事件は自宅内で発生したものであり、そこでの2人の行動を全て明らかにすることは極めて困難だったと思われます。 警察の捜査において、過剰摂取の可能性を完全に排除できなかったことが、無罪判決の一因となっていますが、これは「自宅」という閉ざされた空間での捜査の限界があったと感じています。
コメンテータープロフィール
22年の警察人生のうち、埼玉県警察本部刑事部捜査第一課で10年間従事し、数々の重要事件捜査本部において被疑者の逮捕、取り調べ、捜査関係者からの情報収集、被害者対策、遺族担当に関わり、多くの経験があります。また、捜査一課においては、デジタルフォレンジック(デジタル証拠)を収集・ 解析するデジタル捜査班⻑として、パソコン、防犯カメラ、スマートフォンの解析を経験しており、サイバー犯罪捜査においても知識を有しています。
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