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佐々木正明

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大和大学社会学部教授/ジャーナリスト

報告

解説デンマーク政府はポール・ワトソンを釈放したことで、同国のエコテロリズム対策にも大いなる自己矛盾を抱えることになるだろう。 ワトソンはデンマークの自治領フェロー諸島で行われている捕鯨の中止に向け活動しており、今回も継続すると宣言したからだ。 今後、ワトソンはパリを拠点にするだろうから、フェロー諸島だけでなく、ノルウェーやアイスランドの捕鯨にも「刃」を向けるだろう。 抗議船を出して捕鯨に介入する直接行動をする方法をとることも予想される。船にカメラクルーを同行させ、ドキュメンタリー番組の制作を行って資金を稼ぐに違いない。 デンマークが彼のエコテロ行為をどう抑えるかだが、治安当局も手を出せないジレンマを抱える。 ワトソンと彼の一味を取材してもう20年にもなるが、反捕鯨運動はここ数年、下火になってきたのは事実だ。しかし、今回の拘束劇で全世界的な人気を取り返した。成り行きの注視が必要だ。

コメンテータープロフィール

佐々木正明

大和大学社会学部教授/ジャーナリスト

岩手県一関市生まれ。大阪外国語大学ロシア語学科(現・大阪大学)卒業後、産経新聞社入社。モスクワ支局長、リオデジャネイロ支局長を経て、運動部次長、社会部次長などを歴任。2021年より現職。専門分野はロシア・旧ソ連諸国情勢、国際情勢に加え、オリンピック・パラリンピック、捕鯨問題などにも詳しい。フィギュアスケート関連ではNumberなどにも寄稿。単著に「シー・シェパードの正体」(扶桑社新書)「環境テロリストの正体」(新潮新書)。近著は「動物の権利」運動の正体(PHP新書)

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