デンマーク、反捕鯨団体「シー・シェパード」創設者を釈放 日本の引き渡し要請は拒否
ポール・ワトソン容疑者「非常に安心した」 デンマークは17日、グリーンランドで拘束されていた反捕鯨団体「シー・シェパード(SS)」の創設者、ポール・ワトソン容疑者を釈放したと発表。また、同容疑者を国際手配している日本の引き渡し要請には応じないことを決定した。 「唯一つらかったのは、子どもたちに6月以降、会えていないことだ。ただ、グリーンランドでのサポートは素晴らしかった」 反捕鯨団体「シー・シェパード(SS)」の創設者ワトソン容疑者は今年7月、グリーンランドに寄港したところ身柄を拘束された。 日本は2010年、ワトソン容疑者が南極海で日本船に侵入して調査捕鯨を妨害し、損害や負傷者を出したとして逮捕状を発行し、国際手配していた。 デンマーク法務省は、事件の古さを考慮したと述べたほか、日本で判決を受けた場合に今回の拘束期間が差し引かれるか不確実だと懸念を示した。 現在74歳のワトソン容疑者は、グリーンランドのヌークで釈放されたという。 「拘束されている期間、4000通以上の手紙を受け取り、圧倒された。日本からも励ましになる手紙がたくさん届いた」 駐デンマーク日本大使館の広報官はコメントを差し控えた。日本外務省も、コメントの要請にすぐには応じなかった。 ワトソン容疑者は2023年以降、手厚い支援を受けながら家族とフランスで暮らしている。釈放を求める活動にはマクロン仏大統領や俳優のブリジット・バルドーさんも支持を表明していた。 ワトソン容疑者は、家族との再会に専念したいと語った。 「まずは家に帰り、子どもたちとの時間を過ごしたい。それからは、今までやってきたことを続けるつもりだ」