解説ウォールストリート・ジャーナルがウクライナ侵略におけるプーチン大統領と金正恩総書記の交渉の内幕を暴露している。 6月に平壌で結ばれた露朝の軍事協力協定には、北朝鮮が実戦経験を積むために数千人の兵士をウクライナの前線に派遣できるという秘密条項が含まれていたという。 今、露では20万人近くの契約兵らが死傷し、前線を維持できる兵力が足りない。穴埋めのため露国内で徴兵すれば反政権機運が盛り上がる。諸刃の剣だ。 そこで、北の提案は露には渡りに船だったという構図だ。 北は露から食糧と燃料を受け取ることを引き換えに、砲弾の供与だけでなく、派兵も提案していた。3000人規模であれば露にも援軍になるはずだ。 北にもメリットがある。 北の部隊は最新鋭のドローン兵器の実戦経験も積める。そして、ウ帰りの部隊は対韓国の前線においても脅威になる。 最悪のシナリオは朝鮮半島で軍事緊張が高まった際の露軍の後方支援だろう。
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コメンテータープロフィール
岩手県一関市生まれ。大阪外国語大学ロシア語学科(現・大阪大学)卒業後、産経新聞社入社。モスクワ支局長、リオデジャネイロ支局長を経て、運動部次長、社会部次長などを歴任。2021年より現職。専門分野はロシア・旧ソ連諸国情勢、国際情勢に加え、オリンピック・パラリンピック、捕鯨問題などにも詳しい。フィギュアスケート関連ではNumberなどにも寄稿。単著に「シー・シェパードの正体」(扶桑社新書)「環境テロリストの正体」(新潮新書)。近著は「動物の権利」運動の正体(PHP新書)