解説日本政府はフランス政府への態度を鮮明にすべきだろう。 ポール・ワトソン容疑者の問題は、仏外相が言うような捕鯨問題でも、環境問題でも、政治問題でもない。 海洋で航行する相手の船に近づき、瓶を投げつけたり、体当たりして船員にケガを負わせた行為は海の安全を守るために司法の場で裁かなくてはならない。 もしワトソン容疑者がこの行為を陸でやれば危険運転致傷罪、場合によっては殺人未遂罪のような罪で裁かれるだろう。 仏ではルーブル美術館などで環境保護目的で名画を毀損しようとする「エコテロリズム」が猛威をふるっている。 ワトソン容疑者は米国のFBIが「エコテロの起源」と定義した人物であり、根っこではつながっている。 ワトソン容疑者の政治亡命を認めるなら、仏政府は国内のエコテロは立件し、日本の船員に対するエコテロには寛大になるというダブスタになる。 仏社会はワトソン擁護に動いている。冷静に判断してほしい。
コメンテータープロフィール
岩手県一関市生まれ。大阪外国語大学ロシア語学科(現・大阪大学)卒業後、産経新聞社入社。モスクワ支局長、リオデジャネイロ支局長を経て、運動部次長、社会部次長などを歴任。2021年より現職。専門分野はロシア・旧ソ連諸国情勢、国際情勢に加え、オリンピック・パラリンピック、捕鯨問題などにも詳しい。フィギュアスケート関連ではNumberなどにも寄稿。単著に「シー・シェパードの正体」(扶桑社新書)「環境テロリストの正体」(新潮新書)。近著は「動物の権利」運動の正体(PHP新書)
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