解説北朝鮮のロシアへの派兵は、北東アジアの安全保障環境に劇的な変化を呼び起こす。 私は「北朝鮮のベラルーシ化」と言っている。 プーチン大統領は独裁政権のベラルーシを思うように操り、ベラルーシの兵力や「核」を使って隣国のフィンランドやバルト三国、ポーランドへの脅威を煽る。ウクライナ支援を思いとどまらせようとする。 北東アジアでも、プーチン氏はウクライナを支援する韓国や日本などへ、手薄の露軍のかわりに威嚇できる「駒」を見つけた。それが北朝鮮だ。 緊張が高まる中で、国連本部の会議でこんな舌戦があった。 韓国代表部の参事官が北の露派兵を非難すると、北朝鮮代表部の外交官は「韓国の外交官が加盟国の名前も知らずに国際平和と安全保障を語るのは恥ずべきことだ」と抗議した。 ウクライナ侵略は世界中で地政学的転換を呼び起こしている。 ウ帰りの実戦経験を積んだ北朝鮮軍部隊は、38度線でも厄介な存在になるだろう。
コメンテータープロフィール
岩手県一関市生まれ。大阪外国語大学ロシア語学科(現・大阪大学)卒業後、産経新聞社入社。モスクワ支局長、リオデジャネイロ支局長を経て、運動部次長、社会部次長などを歴任。2021年より現職。専門分野はロシア・旧ソ連諸国情勢、国際情勢に加え、オリンピック・パラリンピック、捕鯨問題などにも詳しい。フィギュアスケート関連ではNumberなどにも寄稿。単著に「シー・シェパードの正体」(扶桑社新書)「環境テロリストの正体」(新潮新書)。近著は「動物の権利」運動の正体(PHP新書)
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