ブリゴジン部隊はモスクワへ進軍している。首都まで南方510キロの主要都市ボロネジまで迫っている。 ロシア正規軍側からの大きな報復はないようだ。 モスクワでは対テロ防御体制に入り、クレムリン周辺の主要道路は大型軍用車が占拠し、封鎖されている。 首都の道路が封鎖されたのは、1993年のモスクワ騒乱事件以来ではないか。 ブリゴジン側からは、自陣には国家親衛隊や警察の要員が加わっていると訴えている。 国防省は正式に「ブリゴジンの軍事反乱」と位置付けた。この混乱によって、ウクライナ東部バフムトの戦闘で露軍が押し負けていると発表し、劣勢をプリゴジン氏のせいにしようとしている。 ロストフの露軍部隊はプリゴジン部隊に制圧されたとの情報があるが、そもそも抵抗していないようだ。 6月24日は、ウだけでなく露の未来にとっても重要な日となりそうだ。 死者が膨らめば、プーチンの権力基盤が大きく揺らぐ事態になる。
コメンテータープロフィール
岩手県一関市生まれ。大阪外国語大学ロシア語学科(現・大阪大学)卒業後、産経新聞社入社。モスクワ支局長、リオデジャネイロ支局長を経て、運動部次長、社会部次長などを歴任。2021年より現職。専門分野はロシア・旧ソ連諸国情勢、国際情勢に加え、オリンピック・パラリンピック、捕鯨問題などにも詳しい。フィギュアスケート関連ではNumberなどにも寄稿。単著に「シー・シェパードの正体」(扶桑社新書)「環境テロリストの正体」(新潮新書)。近著は「動物の権利」運動の正体(PHP新書)
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