補足原子力発電所は、電気の安定供給に大きく役立っています。関西電力の深夜電力料金は15円/kWhなのに対して、東京電力の深夜電力料金は33円/kWhと倍以上します。夜間にも発電している原子力発電所の有無が大きいと考えられます。 なお、志賀原子力発電所は、能登半島地震では、ビクともしていません。超大型の変圧器が壊れましたが、原子力発電所の安全には影響ありません。原子力発電所の基礎は、腕ほどもある太い鉄筋を用いた5mの厚さの鉄筋コンクリートでできています。東日本大震災でも地震ではビクともしていません。福島第一原子力発電所の事故は、私を含む当時の関係者が津波のリスクをとらえられていなかったために起きたものです。大反省し、今では十分な対策がとられているので、大津波が来ても大丈夫になっています。再稼働をすることによって、安定な電気を供給し、産業成長に寄与する事が期待されます。
コメンテータープロフィール
専門は原子力工学。東京大学大学院工学系研究科原子力専攻教授。東京大学にて、３０年以上にわたり原子力安全、原子力熱流動などの研究教育に従事。月刊誌エネルギーレビューに、コラム「原子力何でもQ&A」を１０年以上にわたり連載中。
