補足エネルギー基本計画は、本来、日本の産業基盤となる、電気や天然ガス等、長期的視点が必要なエネルギー調達を含めたベストミックスを示し、産業成長を進める事が目的です。残念ながら、最近の計画は、単なる希望を記載した空想小説になっています。 例えば、3年前の計画では、2030年には火力を40%となっていますが、残り5年で、未だに70%以上火力です。原子力も20%を達成するためには、15基程度の新たな再稼働が必須ですが、原子力規制庁のリスクを考えない審査が無限にかかっている事もあり、達成は難しいでしょう。なお、原子力規制委員会設置法付則第5条には、「原子力規制庁については、(中略)より国際的な基準に合致するものとなるよう、内閣府に独立行政委員会を設置することを含め検討(後略)」することになっています。産業育成を目指した、原子力20%のため、原子力規制庁の改善と、エネルギー政策の抜本的改革が必要です。
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コメンテータープロフィール
専門は原子力工学。東京大学大学院工学系研究科原子力専攻教授。東京大学にて、30年以上にわたり原子力安全、原子力熱流動などの研究教育に従事。月刊誌エネルギーレビューに、コラム「原子力何でもQ&A」を10年以上にわたり連載中。