風邪やインフルエンザが重症化しやすい人の特徴とは 回復を早める生活習慣を医師に聞いた
寒さがいよいよ本格的になり、風邪やインフルエンザが流行する季節になりました。みなさん対策をしていると思いますが、もし感染してしまった場合、重症化させずに回復したいですよね。そこで、内科医で感染症に詳しい久住英二先生に、感染症を重症化させないための対策を伺いました。 【画像】「免疫が上がりやすい入浴法」チェックシート 専門家の解説も ◇ ◇ ◇
重症化する人の体内で起きる「慢性炎症」
感染したときに重症化する人とそうでない人の差は、「慢性炎症」が体内で起きているかどうかといわれています。そもそも、慢性炎症という言葉はあまり聞きなじみがありません。 慢性炎症は、風邪などが治ったあとも“体内で長期間続く低レベルの炎症”のことです。糖尿病などの基礎疾患や、日頃の生活習慣によって起こる肥満、運動不足、睡眠不足、腸内細菌の異常などによって起こる体内の細胞ダメージが、免疫システムの働きを狂わせて炎症を起こします。 慢性炎症を抑えるには、生活習慣を整えることが大切なポイントです。
日頃から腸活を意識! キーワードは「タウリン」
実は、腸は免疫細胞の70%を占める重要な器官。腸内環境を整えることは、感染症の重症リスクを下げることにつながるといわれます。 腸の免疫細胞の働きを助けてくれる栄養素のひとつが、タウリンです。タウリンは、免疫低下時に、小腸の腸壁にある免疫器官のパイエル板の減少を抑制します。また、特定の腸内フローラを増加させてくれる働きも。腸管の微細炎症を抑え、損傷した腸管バリア機能を改善。また、炎症に伴う免疫細胞へのダメージを軽減してくれます。 ほかにも、細胞の抗酸化作用や保護効果があり、体内のさまざまな臓器の慢性炎症を抑制してくれる働きがあります。さらに、脂肪や脂溶性ビタミンの消化・吸収を助け、腸に入ってきた脂肪の吸収を促進するため、腸内環境を整えることにつながるのです。 さらに、今年11月には、感染症によるに長引く疲労などの症状を抑制する可能性が、タウリンにあることも発表されました。 腸活と疲労回復の働きが同時に得られるタウリンは、とくに冬に意識したい栄養素です。