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岡部芳彦

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神戸学院大学経済学部教授/ウクライナ研究会会長

報告

見解匿名の情報源なのでどこまで正確なのか分かりません。一方、歴史的に見ればこの案は非常に悪手です。1938年のミュンヘン会談でイギリスのチェンバレン首相がチェコ北部のズデーテン地方をヒトラーの要求に応じてドイツに割譲、平和を保ったと一時評価されるものの、ヒトラーの侵略はとまらず第二次世界大戦が起こりました。今回の報道内容は、これとまるっきり同じ方針に見えます。 ただ、このチェンバレンの「宥和政策」はチャーチルなどから批判される一方、近年は肯定的な評価も出ています。イギリスが宥和政策で稼いだ時間を、軍備増強に充てたため、バトル・オブ・ブリテンを戦うことが出来たというものです。ただこの先例に当てはめると、結局、「ロシアと戦うための時間を稼ぐ」ということになってしまいます。トランプ氏は歴史の教訓から何を学ぶのでしょうか。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 服部倫卓

    北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授

    見解トランプ氏に限らず、ウクライナ領のクリミアやドンバスをロシアに割譲することによって、和平を達成しよう…続きを読む

  • 三牧聖子

    同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授

    解説「私が大統領であれば24時間でウクライナの戦争を終わらせることができる」と豪語してきたトランプ氏の、…続きを読む

コメンテータープロフィール

岡部芳彦

神戸学院大学経済学部教授/ウクライナ研究会会長

政治・経済・文化などのウクライナ研究、日本・ウクライナ交流史が専門。ウクライナ国立農業科学アカデミー初の外国人会員。日本人とウクライナ人の交流史に関する著書を続けて刊行しているほか、ウクライナの詩集や民話の日本語への翻訳も行っている。ウクライナ内閣名誉章、最高会議章、ウクライナ大統領付属国家行政アカデミー名誉教授などを授与される。ロシアへの留学経験もあり。Yahoo!ニュース 公式コメンテーター「コメンテーターアワード2022」受賞。なお発信内容は個人の見解であり、所属先を代表するものではありません。

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