ロシアで何事かが起こった時は、露メディアがどのように、どのような方法で伝えているのかを見るのも重要です。ソ連時代に指導者の死や非常事態が起こるとテレビではバレエが流れることが多かったのは有名です。本件のロシアでの報道の仕方もなかかなか異例です。ロシア国営チャンネル1では、モスクワ時間の夜中の1時30分ごろから「特別ニュース」第一報、露軍によるワグネルへの攻撃はデマだという内容です。またFSBのプリゴージンへの捜査開始を、ロシア国家対テロ委員会の声明として紹介しており、ただ事でないことも窺えます。「特別ニュース」第二報は40分後の2時10分ごろから。ワグネルと調整役であるスロビキン上級大将の動画を紹介し、それによれば「手遅れになる前に…選挙で選ばれたロシア連邦大統領の意志と命令に従い、隊列を停止させ、常設の配備地点と集中力に戻す」ことが目的と言っています。次の「特別ニュース」にも注目です。
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コメンテータープロフィール
政治・経済・文化などのウクライナ研究、日本・ウクライナ交流史が専門。ウクライナ国立農業科学アカデミー初の外国人会員。日本人とウクライナ人の交流史に関する著書を続けて刊行しているほか、ウクライナの詩集や民話の日本語への翻訳も行っている。ウクライナ内閣名誉章、最高会議章、ウクライナ大統領付属国家行政アカデミー名誉教授などを授与される。ロシアへの留学経験もあり。Yahoo!ニュース 公式コメンテーター「コメンテーターアワード2022」受賞。なお発信内容は個人の見解であり、所属先を代表するものではありません。
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