まだこのような対応を行っている自治体があるとは、驚きである。 同自治体の対応は、次の理由から誤った対応をしている。 一つは、「外国人に生活保護は出ない」等と発言していること。生活困窮する外国人に対して一般国民に対する生活保護の決定実施の取扱に準じて必要と認める保護を行うことになっている。これは、明らかに誤った教示であり、自治体の制度理解に問題がある。 二つには、「国に帰ればよい」等という発言をしていること。これは、自治体として、生活保護相談はいうに及ばす住民サービスを行う態度・姿勢とは思えない。 国際化の進展に伴い、多くの外国人が日本で働き、生活をしている。 生活に困窮した場合、最後のセーフティネットとして位置づけられている生活保護制度の適用を阻むことがないようにしなければならない。
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コメンテータープロフィール
新潟医療福祉大学教授・東京都立大学名誉教授。貧困・低所得問題を中心として研究・社会的活動を行う。専門は社会保障論、社会福祉論。日本社会事業大学・社会事業学校教員、東京都立大学教授、明治大学教授を経て2024年4月より現職。著書として『生活困窮者自立支援-支援の考え方・制度解説・支援方法』(編 著、中央法規)、『貧困問題とソ ーシャルワーク』(共編、有斐閣)、『生活保護における社会福祉実践』(単著、全社協)等。社会的活動として社会保障審議会委員(厚労省)、神奈川県子ども・若者施策審議会委員、東京都社会福祉協議会理事等