補足政府の対策案では、男性や男児専用のホットラインの新設、文化芸術分野のハラスメントを対象にした相談窓口を設けること、教育者や保育者に性犯罪歴がないことを証明するための「日本版DBS」の導入などが示されていました。 ホットラインや相談窓口はないよりもあった方が良いのは当然ですが、そもそも子どもへの性的なグルーミング行為(子どもとの関係性を利用して手懐ける行為)は、子どもが「被害にあった」と気づくこと自体に時間がかかるため、相談する発想を持てないという点に難しさがあります。また、性的な相談を大人にしづらい心理や、周囲から信頼されている大人からの性被害を訴えることの難しさなど、性被害を訴えづらい理由は複雑で複合的です。 対策は大変難しいですが、子どもと関わることの多い職業の大人たちが、発覚しない性被害の多さに気づくための研修なども必要だと考えます。
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コメンテータープロフィール
ライター/主に性暴力の取材・執筆をしているフェミニストです/1980年東京都品川区生まれ/Yahoo!ニュース個人10周年オーサースピリット大賞をいただきました⭐︎ 著書『たまたま生まれてフィメール』(平凡社)、『告発と呼ばれるものの周辺で』(亜紀書房)『「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を』(タバブックス)/共著『災害と性暴力』(日本看護協会出版会)『わたしは黙らない 性暴力をなくす30の視点』(合同出版)/2024年5月発売の『エトセトラ VOL.11 特集:ジェンダーと刑法のささやかな七年』(エトセトラブックス)で特集編集を務める