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小笠原欣幸

小笠原欣幸

認証済み

東京外国語大学名誉教授

報告

台湾を重視するリトアニアの動きに中国は手を焼いている。記事にあるように首都ビリニュスでの「台湾代表処」の開設に対し中国は激しく反発し,リトアニアに外交・経済制裁を行なった。 最近発表されたリトアニアの貿易統計では,今年上半期(1-6月)リトアニア製品の対中国輸出はなんと87%減少した。これは,中国のいやがらせによると見られる。一方,リトアニア製品のインド太平洋10か国(日本,台湾を含む)への輸出は56.5%増加し,対中輸出の減少を補った。もともとリトアニアの対中輸出比率が非常に低かったことが幸いした。 リトアニアはこの9月,台北に「リトアニア貿易代表処」を開設する。すでに初代の代表が台湾に到着している。リトアニアの現政権は,ロシアと中国を権威主義国家として厳しく批判しEUの中で声をあげている。中国の制裁にも一歩も引かない構えだ。台湾もリトアニアに対し半導体関連の投資や協力を約束している。

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コメンテータープロフィール

専門は台湾政治,台湾総統選挙,中台関係。東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授を経て同大名誉教授。著書に『台湾総統選挙』(晃洋書房),共著に『蔡英文再選―2020年台湾総統選挙と第2期蔡政権の課題』(IDE-JETROアジア経済研究所)など。2020年に「アジア・太平洋賞」特別賞および「樫山純三賞」学術書賞を受賞。

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