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錦田愛子

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慶應義塾大学法学部教授

報告

解説ハマースの政治局長ハニーヤ氏の暗殺に国際社会の視線は集まっているが、イスラエルはその前日にレバノンの首都ベイルート南部でヒズブッラー幹部のフアード・シュクルも暗殺している。後者についてはイスラエルは殺害への関与を公式に認めており、報復が強く懸念される。ヒズブッラーはイランから影響を受ける「抵抗の枢軸」の一主体であり、ガザ戦争の開始以降、パレスチナとの連帯も表明し続けてきたため、対イスラエル攻撃を行うには何重にも理由があるといえる。 これを警戒して、米英仏も既に自国民のレバノンからの退去を促している。多くの航空会社がイスラエルおよびレバノンの発着便を運航中止しており、残された便の航空券も大幅に値上がりしている。日本外務省の退避勧告もこれと同調したものだ。レバノン全土が退避勧告対象になるのは2006年のイスラエル・レバノン間の全面交戦以来ではないか。現状の緊張感はそれだけ高いものといえる。

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同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 鈴木一人

    東京大学教授/地経学研究所長

    解説本当にイスラエルとヒズボラが戦闘状態に入るのかどうかわからないが、多くの国が退避する中で、日本が退避…続きを読む

コメンテータープロフィール

専門はパレスチナ/イスラエルを中心とした中東地域研究、移民/難民研究。東京大学法学部卒業、同法学政治学研究科修士課程修了、総合研究大学院大学文化科学研究科博士課程修了、博士(文学)。早稲田大学イスラーム地域研究機構研究助手、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所准教授等を経て、現職。ベイルート・アメリカン大学客員研究員、ヘブライ大学トルーマン研究所客員研究員、ロンドン大学東洋・アフリカ研究学院客員研究員などを歴任。単著に『ディアスポラのパレスチナ人―「故郷(ワタン)」とナショナル・アイデンティティ』、編著に『政治主体としての移民/難民――人の移動が織り成す社会とシィティズンシップ』など。

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