見解イスラエルは7月以降、ハマースとヒズブッラーのめぼしい幹部を次々と殺害し、軍事拠点の破壊を着々と進めてきた。それぞれ反撃は続いているものの、組織の立て直しに時間がかかる打撃は加えており、相当程度の成果を挙げている。この勢いを借りて、ネタニヤフ政権への支持率が再び下がる前に停戦に持ち込むのは得策と考えられる。いずれにせよ、停戦のタイミングを決めるカードはイスラエル側が握っている。 他方でハマース側はもはや失うものがないほどの損失を被っており、これ以上戦闘を長引かせても、戦局を有利に導くのは難しい。人質を最後のカードに使って、このあたりで終結を図るのが望ましいと考えたのではないか。
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コメンテータープロフィール
専門はパレスチナ/イスラエルを中心とした中東地域研究、移民/難民研究。東京大学法学部卒業、同法学政治学研究科修士課程修了、総合研究大学院大学文化科学研究科博士課程修了、博士(文学)。早稲田大学イスラーム地域研究機構研究助手、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所准教授等を経て、現職。ベイルート・アメリカン大学客員研究員、ヘブライ大学トルーマン研究所客員研究員、ロンドン大学東洋・アフリカ研究学院客員研究員などを歴任。単著に『ディアスポラのパレスチナ人―「故郷(ワタン)」とナショナル・アイデンティティ』、編著に『政治主体としての移民/難民――人の移動が織り成す社会とシィティズンシップ』など。
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