解説昨年のガザでの戦争が始まって以来、国連はグローバル・サウスの国々を中心としたイスラエル批判の場となりつつある。グテーレス事務総長も早い時期から厳しい言葉で批判しており、イスラエル側が辞任を求めたこともある。国際的に非難の声が強まっていることを感じて、批判される場としての国連の存在自体を否定しようとしているのだろう。 他方でヨーロッパ社会はホロコーストの歴史の反省から、「反ユダヤ主義」と呼ばれることを極度に恐れて回避しようとする傾向がある。反ユダヤとイスラエルの政策・戦術批判はそもそも別次元の問題なのだが、意図的な混同がまだまかり通る状況が続いている。今回のネタニヤフ首相の発言をそれを強く意識して、欧米諸国が自分たちの味方にとどまるのかどうか、迫る意図があったものと思われる。
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コメンテータープロフィール
専門はパレスチナ/イスラエルを中心とした中東地域研究、移民/難民研究。東京大学法学部卒業、同法学政治学研究科修士課程修了、総合研究大学院大学文化科学研究科博士課程修了、博士(文学)。早稲田大学イスラーム地域研究機構研究助手、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所准教授等を経て、現職。ベイルート・アメリカン大学客員研究員、ヘブライ大学トルーマン研究所客員研究員、ロンドン大学東洋・アフリカ研究学院客員研究員などを歴任。単著に『ディアスポラのパレスチナ人―「故郷(ワタン)」とナショナル・アイデンティティ』、編著に『政治主体としての移民/難民――人の移動が織り成す社会とシィティズンシップ』など。
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