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中田大悟

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独立行政法人経済産業研究所 上席研究員

報告

補足厚生労働省のスタンスは「財源調整すれば厚生年金の加入者の殆ども給付が増えるのだから、財源調整は納得を得られる」というものです。ただし厚生年金の流用と捉えられないように、非常に丁寧な説明が必要とされます。その意味では「財源活用」という議論の打ち出し方は、かなり危ういものと言えます。もっと早い段階で「厚生年金と国民年金の積立金統合」と打ち出しておけば(これは実質的に財源調整と同じことです)、余計な議論の発散にはならなかっただろうと思います。 ただし、同時に議論されている、本来なら厚生年金でカバーされるはずの人を厚生年金に加入できるようにする厚生年金の適用拡大をしっかりと推し進めれば、この記事で議論されている財源調整の規模は小さくなります。この点も厚生労働省は丁寧に説明すべきです。

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コメンテータープロフィール

中田大悟

独立行政法人経済産業研究所 上席研究員

1973年愛媛県生れ。横浜国立大学大学院国際社会科学研究科単位取得退学、博士(経済学)。専門は、公共経済学、財政学、社会保障の経済分析。主な著書・論文に「都道府県別医療費の長期推計」(2013、季刊社会保障研究)、「少子高齢化、ライフサイクルと公的年金財政」(2010、季刊社会保障研究、共著)、「長寿高齢化と年金財政--OLGモデルと年金数理モデルを用いた分析」(2010、『社会保障の計量モデル分析』所収、東京大学出版会、共著)など。

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